日頃のストレスや疲労・・。さらに中高年になると、悩みや不安も増えて不眠症状が出てくる割合も増えてきます。
これらは睡眠の質を高めることでかなり改善できる可能性があります。
美容のための入浴剤として知られるエプソムソルトですが、肉体や精神の疲労回復効果に効果があり、健康法にも有用です。
この記事はエプソムソルト(硫酸マグネシウム)を使った入浴により、睡眠の質を高めて心身のコンディションを良くしたい人、皮膚の改善、美肌効果を試したい人へ向けて書かれています。
男女にかかわらず、健康法やアトピーに悩む場合の参考になれば幸いです。
目次
健康への切実な願い
朝めざめて心身軽やかにスッキリしている日もあれば、なんとなく体も気分も重く、どんよりしている日があります。
当然その日の仕事や勉強、スポーツのパフォーマンスにも影響しますよね。
原因は、連日の育児疲れ、仕事、数日前の運動・・・
もしくは、悩みによる不安や精神、神経系が原因で、深い眠りが妨げられているとか?
一時的なものではない不眠症やメンタルが原因なときは、特に辛いものです。
心身のコンディションは体のバイオリズムなどもかかわる複合的な要因もあって、原因をどれかに特定できないときもあります。
しかし少なくとも、睡眠の質を高め、心身の疲れをやわらげることで、より好ましいコンディション近づけることは確かなようです。
睡眠の質を上げるための入浴法(一般的な入浴剤)
睡眠の質を上げるために工夫の余地があるのが入浴法です。
具体的には、入浴の「長さ」「お湯の温度」そして「入浴剤の利用」の工夫により、より長く「よい睡眠時間帯」を得られる可能性があります。
一般的に風呂や温水のシャワーは、その日の疲れやコリをほぐし、心身のリセットするのに効果的。
体を温めて代謝を上げたり、血行をよくするのは、よく眠れて疲労の回復を早めます。
(ただし風呂は熱すぎる湯に長時間つかるのは逆効果、NGですね)
入浴剤も充実し、湯に入れるとソーダのような泡が出る炭酸を配合した「バブ」。
また、日本全国の有名温泉地の名前をつけて温泉成分を配合した「旅の宿」なども人気です。
これらは、とくに温浴効果という意味では効果的で、睡眠の質を高めることにつながると思いますし、入浴中の香りや色などにもリラックス効果はあるように思います。
私も以前、よく使っていて、それなりの効果を感じていました。
エプソムソルト(Epsom Salt)とは?
睡眠の質を高める点で、バブなどの一般的な入浴剤よりも、より効果を実感しているのが「エプソムソルト(Epsom Salt)」です。
エプソムソルトはソルト(塩)という名前ですが、塩分は入っていません。
硫酸マグネシウムという無味無臭の白い結晶です。
もとは15~16世紀にイギリスの首都ロンドン郊外の「エプソム(Epsom)」という場所で発見されたので、この名前がついています。
当時、エプソムの周辺(現在のサリー州)は、自然に湧いた温泉に硫酸マグネシウムが豊富に含まれていることから、有名な温泉街になったと言われます。
▲現在のエプソムの町(イギリス)(出典:Wikimedia Photo by Hugh Craddock)
見た目が塩(Salt)のようなであったため、その硫酸マグネシウムの結晶が「エプソム(Epsom)のソルト(Salt)」と名づけられたそうです。
日本ではここ数年で有名になりましたが、イギリス発祥のエプソムソルトは、すでに欧米ではかなりメジャーなようです。
ハリウッド女優などのセレブたちをはじめ、イギリス出身のサッカー選手・ベッカム夫人のヴィクトリアさんなども、愛用していると言われます。
また、アメリカではプロ・バスケットボールやアメリカンフットボール、メジャーリーガーなどのプロスポーツ選手など、男性にも人気があるそうです。
▲エプソムソルトを入れたお湯。写真では緑がかってみえますが、実際は無色透明。
一般的な入浴剤との違い(マグネシウム特有の効果)
この硫酸やマグネシウムの成分は温浴効果があるため、実は市販の入浴剤や天然温泉(硫酸塩泉)にも含まれていることが多い成分だそうです。
しかし、エプソムソルトは硫酸マグネシウムそのものなので、より効果が高いと言えます。
特にマグネシウムには、以下のような働きがあるとされています。
神経系、精神作用の鎮静
神経伝達物質の放出と受容体への結合にも大きく関与する。
このことから、不安、うつ、不眠、多動などを鎮める。
出典:「栄養医学ガイドブック サプリがもたらす健康の回復」著者:柏崎良子、発行:学習研究社より
実際、体の芯から温まる温浴効果があるという点では、本物の温泉にかなり近い感じですが、市販の入浴剤よりも、温浴効果が長続きする気がします。
そして、一般的な入浴剤と異なる効果は、上記の神経系、精神作用の鎮静だと感じられます。
夏場のように暑さで目を覚ましてしまうことだけでなく、ときには、心配ごとで神経が興奮し、よく眠れないこともあるでしょう。
しかし、エプソムソルトで風呂に入った日は、朝起きる時間までぐっすりと眠れることが多く、不眠対策にもつながります。
皮膚や肌への効果は?
今回は睡眠の質を上げる点をご紹介しましたが、もう一つ皮膚への効果が認められます。たしかにエプソムソルト浴の翌朝は、多かれ少なかれ、肌がよりサラサラとし、つやが出ます。
荒れた肌(皮膚)が再生される感じです。美容のためとしても人気が高いことも納得です!
15年間も服用したアトピー剤を断ち切った1か月の温泉生活(参考)
筆者は子供のころから、アトピー性皮膚炎と付き合ってきました。
40才を過ぎた現在も症状がよくなったり、悪くなったり、アトピーと付き合っています。
なかなかアトピーの症状が皆無にはならないので、悪化するのは避けるよう過ごしています。
アトピーの場合、皮膚の状態のよしあしの原因は様々です。
たとえば筆者の場合、
●ストレスの多少
●食事の質や量(糖質過多にならないとか、油分は少なめがいいとか)
などが、体内側の大きな要因になっていると感じています。
外的要因としては、季節の変わり目は、悪化することが多いです。
皮膚状態の良し悪しへの対処法は、人によって、またその時の体質によって異なると思います。
なので、試行錯誤しながら、それぞれに合った方法を探ってゆくしかありません。
正解は一つではないと思われます。
筆者は20代の頃からアトピー性皮膚炎、かゆみ止めへの対処法として、10年間近く、ステロイド系の薬を日常的に服用(注射や飲み薬)していました。
ステロイドは、皮膚にお悩みの人には有名ですが、効果は強いが副作用も懸念される薬です。
10年経つ頃には、体内に蓄積したステロイドで外見も丸々として太り(いわゆるムーンフェイス)、どれだけ運動しても痩せることはできませんでした。
その後、通院している皮膚科をかえて、ステロイド対症療法から脱出。
5~6年かけて、かゆみ止めのための錠剤を抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤へ変えました。
ムーンフェイスは自然に解消されました。すっきり痩せました。
その後、「あること」をきっかけに、そうした抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤の服用も断ち切ることができました。
その「あること」とは温泉です。
約1か月間、東京には戻らず、日本の北から南までの温泉地を出張する機会があり、1週間に3~4日くらいの割合で朝晩と温泉につかっていました。
温泉療法を狙っていたわけでなく、気分よく温泉に入っていただけでした。
しかし、おのずと皮膚の状態がよくなり、かゆみ止めの薬を内服しなくても、しびれや痒さがなくなっていったのです。
これは1~2泊の温泉旅行では感じられない効果でした。
そして、それをきっかけとして、かゆみ止めのための薬を一切服用せず、生活できるようになったのです。
15~16年間続いた、アトピー性皮膚炎用の服用を1か月の温泉生活をきっかけに、止めることができたのです。
その後、8~9年間、現在にいたるまで、かゆみ止めの薬を服用することなく、やりくりできています。
温泉との共通効果を実感するエプソムソルトの注意点や副作用
上記で温泉のことを記載したのは、エプソムソルト(硫酸マグネシウム)に温泉と似た効果があるためです。
エプソムソルトは、少量入れるだけでも結構な効果を感じられます。
うまく使えば、筆者の一か月の温泉生活と同じく、エプソムソルトによる肌や身体への良い影響や、一定期間の皮膚の良い状態をきっかけとして、薬から脱出できるなどのきっかけになる可能性はあるでしょう。
約2年間、使用していて、今のところ副作用を感じたことはありませんが、熱い温度のお湯に長時間つかるのは(体がほてり過ぎて)避けたほうがよさそうです。
特に夏。
体がほてり過ぎてしまうと、寝つきが悪く、逆効果です。
また、皮膚の状態が悪いときは、強い温浴効果が皮膚の痒さを増してしまう可能性もあるので、注意したいところ。
皮膚の状態がひどく悪いときは入浴後の痒さをみて、ソルトの濃度(分量)、熱すぎない湯加減にする、長くお湯につかり過ぎないなどの方法で調整するのがよいと思います。
アトピー性皮膚炎を改善するなら、食事やストレスにも注意を!
また、アトピーの状態を良くしたい場合は、入浴法と並行して生活の他のこと(食事、ストレスの軽減)にも注意を払ってゆくと、さらに効果的、良い結果が生まれる可能性があります。
私は糖質を少なめにした食事に変えて(糖質ゼロにはしていない)、アトピー性の痒みを感じることがとても減り、皮膚の状態がさらに改善しています。
ストレスは生きている以上、ゼロにはならないかもしれませんが、睡眠を十分にとること、質のよい睡眠を得ることでも、ストレスがかなり軽減する傾向があるように思えます。
エプソムソルトは肉体疲労、疲労回復にもよく効く?
エプソムソルトは無色透明、無味無臭なので、風呂に入っていても入浴剤を使用している感がありません。
しかし、エプソムソルトを使いはじめて2年くらいたち、やはり身体的に疲労回復に効果が高いことを実感しています。
疲労回復し、翌朝の快適な目覚めや体調は下の順番で上がってゆきます。
- 寝る前に風呂に入らない(翌朝に入る)
疲れが取れていない - 寝る前にシャワーのみ(体を洗い、温める)
完全には疲れが取れ切っていないが、最低限 - 湯船(バスタブ)につかる:エプソムソルトなし
まあまあ快適、順調 - 湯船(バスタブ)につかる:エプソムソルトあり
翌朝、快適。爽快感。
注目すべきは3と4の違いです。
エプソムソルトを使用する利点は、短時間の入浴でも結構効果がある点です。
筆者の経験上の体感、感覚的なものですが、エプソムソルトを使用したときは、温浴効果、体の芯までの温まり方、筋肉をほぐす効果が高まるのではないかと思われます。
「短時間の入浴でも結構効果がある」というのは、忙しいお父さん、お母さん、部活生、スポーツ選手にとって、嬉しいことですね。
エプソムソルトの使い方:分量や温浴時間の目安
湯船の湯量に対して、エプソムソルトはどのくらいの分量、何カップ(計量カップ)くらい使うのがよいでしょうか?
販売会社(製造元)の推奨としては、たとえば、以下が目安と言われています。
エプソムソルトのお湯に対する分量は0.2%ほどが目安。
浴槽に150Lのお湯を張った場合、150~300gほど。 付属のスプーンで5~10杯
分量に幅があるのは好みの差で調整ということですが、経験上、エプソムソルトは少量でも、結構効果があります。

エプソムソルトの1杯30ccの計量スプーン(並べているのは30cmものさし)
たとえば、下の写真で、湯船の4~5分目くらいまで湯を入れた状態で、少なめだと(効果は若干弱め)、30ccの計量カップ3杯くらい(90~100g)。
5杯(150g)入れるだけでも、かなり十分な効果が得られています。
入浴時間や湯の熱さへの体感は、かなり個人差がありますが、効果があるのは、ほどよく体が温まった状態。
たとえば、筆者は40~42℃くらいのお湯の湯船に10~15分くらいがちょうどよいです(一般より、少し熱がりです)。
低めの湯温のときは、体が火照り過ぎない程度に、複数回、湯船に出たり入ったりすることもあります。
あとは自分の好みに合わせて調節できたらよいですね。
エプソムソルトの値段例(コストパフォーマンス)
「欧米のセレブやプロスポーツ選手も愛用する」と言われるエプソムソルト。料金を比較してみました。
下記は[Amazon.co.jp]や[楽天市場]のネットショップで、それぞれ一番量の多いパッケージを比較した単価の比較です。
エプソムソルトは日本でメジャーな製品の一つ[シークリスタル(Seacrystals)]にて比較。
▲シークリスタル(Seacrystals)の10リットル・パック(左は1.5リットルのペットボトル:サイズ比較用)
エプソムソルトの効果と使い方 まとめ
上記は個人的な感想で、効果の感じ方は個人差があるかもしれません。
一重に入浴とは言っても、湯温、入浴時間の長さ、入浴回数の方法も関係するかと思います。
エプソムソルトは様々なメーカーのものがあり、香りのあるものなど、いろいろあるので、ご自分に合ったお好みのソルトやエプソムソルト入浴法を見つけて下さい。
そして、是非、快適な生活、美しい肌を手に入れて下さいね♪♪
大量に買う場合、NICHIGA(ニチガ)のエプソムソルトが比較的安めかもしれません。
私はシークリスタルやニチガを中心に使っていますが、効果もほとんど変わらないと思います。
(シークリスタルの方が若干効果強め?気のせいかも!?試してみてください!)