東京都内でのカブトムシ採集と飼育方法

このページは、カブトムシ採集や飼育に関心のある人、特に小さなお子さんのために、はじめてカブトムシ採集や飼育にチャレンジしている親御さん。そして、里帰りした田舎で、カブトムシを捕まえてもち帰ったが、とりあえずどうしていいかわからない人などに向けて書いています。

東京都内でのカブトムシ採集と飼育のきっかけ

今から4年前の夏。小学校低学年になった息子に見せてあげたかったのが、野生のかぶとむし。

かぶとむしは、東京都内でもホームセンターなどで普通に売られていますが、林で見つける野生にこだわっていました。

昭和生まれの私が小学生の頃、「野生のクワガタやカブトムシを見つけて大興奮した感動」を、子どもにも是非追体験させたいと思ったのが、かぶとむしを追い、育てることになったきっかけです。

夏のはじめ、地域の知人からカブトムシの生息場所の噂話を聞いたりして、いろいろ訪ね歩いてみました。

東京23区に隣接しながら、比較的に豊かな自然に恵まれている多摩エリアなので、期待をしていました。

しかし6月下旬ころから探し始めて1か月以上、毎週のように子どもと一緒にいろんな場所へ探しに行きましたが、野生のかぶとむしには出会えませんでした。

「東京で、しかも23区に近いようなエリアで野生のカブトムシに出会うのは、もう無理かな・・・。

そもそも、カブトムシが生息するクヌギやコナラの木は、ほとんど見かけないし・・」と、あきらめ始めた頃には、かぶとむしシーズンも中盤、8月に入ろうとしていました。

今、ふりかえると・・・

探し始める時期が1か月早かったように思います。

カブトムシが木々に現れ人目に触れ始めるのは7月中旬くらいから。

田舎の森の中のように昼間でもたくさんいる場合は別として、夜行性であるカブトムシは、夜のほうが活動的で見つけやすいでしょう。

 

ある晩、「これで最後にしよう。見つからなかったら、諦めよう。」と決め、深夜0時近く、多摩川沿いのある雑木林を訪ねてみました。

その場所は、日中に訪れた際、クヌギの木やカブトムシの死骸が落ちていたので、きっとカブトムシが居るに違いない!と踏んでいた場所です。

▲クヌギの木の樹液が出る部分。先に来た誰かがトラップ(人工の樹液)をかけていたようです▼

すると、居たではないですか!うじゃうじゃ。

この雑木林(公園)、カブトムシが生息する場所として地元住民の間では結構知られているようです。

クヌギの木の樹液が出ている木目の開口部に、さらに誰かがトラップをしかけ(人工樹液をかけておき)、引き寄せられて集まってきたようです。

カブトムシ飼育にとりあえず必要な4つ

カブトムシの成虫を飼うのに必要なものは、最低限4つです。

①虫かご、②土(マット)、③エサ(昆虫ゼリー)、④木(虫かごの中に入れる)。

オスとメスのつがいを飼って、その後の繁殖を狙うかにより、多少、手間のかけ方が変わります(交尾後、産卵した場合、翌年の夏に羽化します)。

虫かご(選び方のポイント)

飼育ケースは7月~9月頃には、近くのスーパーやホームセンター、百円ショップなどでも売っており、実際に目で見てサイズ感を確かめることができます。

それら店舗で売られているのは小(S)~中(M)くらいのサイズが多く、大(L)や特大(LL)となると、通販の品ぞろえが素晴らしいです。

以下の飼育匹数は必ずというわけでありませんが、カブトムシにとって、ある程度、快適に過ごせる目安です。

 

▲小、中、大の飼育ケースのサイズ感。右の二つは幼虫飼育ため、土の量が多め。左は成虫飼育の土の量。

これまで小、中、大、特大と、10種くらいの飼育ケースを使用した中で「使いやすさ」「見やすさ」「強度(ケースの頑丈さ)」の点で良かったのが、アイリスオーヤマの「飼育ランド」CYシリーズです。

サイズはSS、S、M、L、LL、3Lと6種類。Amazonの各ページにはサイズ (幅・奥行・高さの寸法)の具体的な記載があります。

土(マット)

成虫用のマット

7~9月の成虫期でしたら、かぶとを採集した土地や外の土で、さほど問題はありません。

しかし、その後の繁殖や最適な飼育環境をふまえると、飼育専用の土、いわゆる昆虫マットが理想です。

夏の時期はスーパー、ホームセンター、百円ショップなどで販売されていますし、通販なら、年間を通じて販売されています。

土の分量ですが、オスとメスで必要な分量は若干異なります。メスは日中、土の中へもぐっているのが好きで、土の中に潜っている間、体を休めて交尾、産卵できる体力を回復、温存しています。

メスがいるときの土の深さは最低5cm~10cmくらい。オスはメスに比べて、土に潜っている機会や時間は少なく、少し少なめでも十分かと思います。

土を入れずぎると虫かご内の空間スペースが減ってしまうので、私はおおむね夏の期間、7~8cmくらいにしています。

産卵を踏まえると10cm以上あることが理想ですが、7~8cmくらいでも、毎年、たくさん卵が産まれています。

幼虫用のマット

産卵後、孵化(ふか=卵から幼虫になる)⇒幼虫⇒蛹化(ようか=さなぎになる時期)⇒羽化(うか=成虫になる)の時期は土(マット)が決定的に重要です。

無事に育ち、大きな成虫として羽化するためには専用の昆虫マット(土)が必要です。

幼虫の時期、特に秋と春の最もマットを消費する時期は、3~4週間に1度、土をふるいにかけて、糞を乗り除きます。

冬は冬眠のため、エサの消費と糞の量は少ないですが、春と秋は虫かごの中は3~4週間で糞だらけになります。

ふるいにかけて糞を取り除く作業

これまで何種類かを使用したマットの中で、口コミなどで評判がよく、成虫用だけでなく、幼虫が大きく育ったことを実感したマットがこちら。

幼虫が20匹以上もいると、5Lだと、すぐになくなってしまうため、10Lを使うようになりました。

エサ(昆虫ゼリー)

スーパーやホームセンター、百円ショップなので売っている昆虫ゼリーがポピュラーです。

昆虫ゼリーの場合、カブトムシが食べやすい、底が浅くて幅広いタイプ(直径3cmくらい)がおすすめです。昆虫ゼリーをおさめる台が必要なので、虫や木などとセット販売されているものが入手できれば理想的ですね。

もしも昆虫ゼリーの入手が間に合わない場合、難しい場合、経験上、カブトムシが一番好きで、よく食べる果物はバナナです。

食いつきがよく、バナナを食べたカブトムシは元気になる様子です。林でトラップを仕掛けて採集する場合も、一番よく使われている果物です。

生の果物は腐りやすく管理に手間がかかるため、昆虫ゼリーが入手できたら、差し替えるのがよさそうです。

のぼり木(虫かごの中に入れる)

カブトムシは木を好みます。木の枝や皮を虫かごの中へ配置すると飼育の楽しみが増します。

カブトムシ用の木は虫カゴやゼリーなどと一緒にセット販売もされていますが、どんな木が良いかということは、あまりこだわる必要はないと思います。自然の林の中にいるような環境に近ければ、カブトムシが喜びます。

また、カブトムシは土の上でひっくり返って仰向けになることが多いですが、土だけだとなかなか起き上がれません。近くに木があると自分で起き上がれますし、カブト虫の動きが生き生きとしてきます。

虫かごを置く場所について(屋内か屋外か)

飼育場所は、できるだけ温度差が少ない場所がよいと言われています。直射日光のあたらない、暑すぎない場所です。

特に幼虫飼育の場合、圧倒的に「屋内飼育」をお勧めします。

マットの乾燥ぐあいも虫かごを置く場所により、かなり左右されます。

マットが乾燥してきたら、100円ショップなどで入手した霧吹きなどで「シュッシュッ」とかけて土の表面を湿らせませす。

虫カゴ内にコバエ(カブトムシのにおいが好き)が入り込み繁殖して、コバエだらけになってしまうことがあります。

一度、コバエが繁殖してしまってから完全に取りのぞく場合、土全体を変える必要がありますが、次からはコバエシートを利用すると便利です。湿気も適度に保ってくれます

夏の終わりが近づくと・・・

初年は、何度かこの雑木林に足を運び、オス3匹。メス8匹を屋内の虫かごで飼育しました。

8月中旬くらいからカブトムシも次々と往生、9月の下旬、一番長く生息したカブトも旅立ってゆきました。

その年の気候や生育環境により、寿命は異なります。

たとえば猛暑や不順な天候の続いた2018年は、全体的にカブトムシの寿命が短かったですし、実際にそのような報道もあります。

(兵庫県のカブトムシドームのかぶとむしの多くが例年より早く亡くなり、例年より早く閉園した)

▲最後の一匹。かぶとむしが往生するときは、なぜかこのスタイル(仰向け)が多いので、わかりやすいです▼

そして、すべてのカブトムシがいなくなった虫かごの土の一番下には、ぴかりと光る小さなカブトムシの卵が残されていました。その数、合計60個ほど。はじまりはここからです。

▲新たな生命。色が白くて小さいものが、生まれてから比較的新しい卵。黄ばんだ少し大きめのものは産卵後、少し時間がたち、まもなく幼虫が出てくる卵。

▲生まれて間もない幼虫(1令幼虫)。大きさにしたがって1令→2令→3令と成長してゆく。鶏の卵からひよこが出てくるのと同じように、カブトムシの幼虫も卵の殻を破って出てきます。土の中をよく見てみると、卵の抜け殻が残っているのが見つかるでしょう。

3年間の飼育のまとめ(成功と失敗)

雑木林でつかまえてきたカブトムシを育てはじめて丸3年が経ち、現在、最初につかまえてきた曾孫の世代(4代目)になります。

東京都内の平均的な居住スペースの中で子孫を継承してきました。

途中、新しいカブトを例の雑木林でつかまえ、仲間に混ぜているので完全な近親交配ではありませんが、産卵後、幼虫から蛹になり、羽化して成虫になるまでの育て方も変化をつけて、いろいろと勉強になったことを書きます。

以下はその概要、全体感です。

1年目の飼育方法(丁寧すぎる飼育)

産卵数
雄3匹、雌8匹の成虫から、合計で約60個が産卵。

虫かごの数、虫かご内の幼虫密度
合計5個の虫かご(大1個、中2個、小2個)で飼育。
虫かご内の幼虫密度は、比較的、過密だったと思います。

虫かごの設置場所
家の中(玄関の下駄箱の上)。
屋外や屋内の居住スペースと比べて、比較的、温度差が少ない場所。

※カブトムシの幼虫は人間と異なり、自分の体内で温度調整機能をもたないため、生育には温度を意識することも結構重要。

マットの交換頻度
かなり、こまめに変えていました。
・秋、冬眠に入るまで(10月~12月上旬頃/幼虫成長期):2~3週間に1回くらい。
・冬(12月下旬~3月上旬)/冬眠期):何もせず
・春先(3月~5月頃/再活動期):2~3週間に1回くらい。

幼虫のエサであるマット(土)は、日に日に糞へと変わってゆきます。虫かごの中の糞の量の割合が増え、土の量が減ってゆくと、幼虫はエサを求めて土の中から出てきてしまいます。いわゆる食環境の悪化です。

幼虫が土の上に上がってきてしまう頃には、虫かごの下の方は糞だらけ(食べられるものが少ない)の状態になっているはず。

エサの多少が成虫になったときのサイズに大きくかかわるので、秋と春にこまめにエサ交換をすればするほど、羽化期の夏、大きな成虫が数多く生まれてきます。

翌年の羽化の結果(数、状態)
翌年6月末~7月上旬にかけて、ほとんどが無事、蛹化→羽化に成功。
おそらく10%くらいは、幼虫の段階で往生(亡くなって、土へ帰依した)。
奇形や羽化不全もなし。

2年目の飼育方法(少し手を抜いて要領よく)

産卵数
40-50個ほど。
前年、幼虫の飼育がとてもたいへんだったので、成虫を子どもが友だちにあげたりして、産卵数を減らした。

虫かごの数、虫かご内の幼虫密度
6個の虫かご(大2個、中2個、小2個)とペットボトル15本くらいで飼育。
虫かご内の幼虫密度は、前年よりはゆとりがあった。

虫かごの設置場所
屋外の物置の中。日中の外気温の影響を直接的に受けるため、屋内よりも気温差は激しい(特に冬)。
前年よりも、寒い環境にいる時間(冬眠期間)が長くなった。

マットの交換頻度
コツがわかったので、マットの交換は、前年より頻度がすくなく、必要最小限の回数。
・秋、冬眠に入るまで(10月~12月上旬頃/幼虫成長期):月1回程度。
・春先(3月~5月頃/再活動期)::月1回程度

▲ペットボトル飼育(蛹になる少し前の幼虫)

翌年の羽化の結果(数、状態)
前年と大幅に変わることなく、大部分が無事羽化に成功。前年よりエサの量(マットの交換頻度)は少なかったが、成虫のサイズは特別に小さくなった印象は無し。幼虫時の往生率(死滅)も、前年と同じ1割くらいという印象。

寒い環境にいる時間(冬眠期間)が前年よりも少し長かったからか、羽化の時期は、全体として2週間くらい遅かった(7月以降)印象。奇形や羽化不全もなし。

3年目の飼育方法(放置状態=あまり思わしくない結果に)

産卵数
30個ほど。外国産のアトラス・オオカブトの飼育もスタート。

虫かごの数、虫かご内の幼虫密度
前年と同じだが、ペットボトルを使用しなかった分、過密な環境。

虫かごの設置場所
ベランダ。外の気温差の影響を直接に受ける。

※カブトムシの幼虫の体内には、人間と異なり、自らの体内に体温調整機能がなく、気温差にとても弱いことを後で知ることに。

マットの交換頻度
必要最小限とは言えないほど、低頻度。
・秋、冬眠に入るまで(10月~12月上旬頃/幼虫成長期):2回くらい。
・春先(3月~5月頃/再活動期):1~2回

翌年の羽化の結果(数、状態)

全体的にかなり失敗。

日本カブトの生存率は約3分の2程度(約20匹)。

奇形2匹、羽化不全3匹。いずれも羽化後、1~2週間ほどで往生。

外国産のアトラス・オオカブト(5~6匹)は全滅。

外国産カブトは日本カブトよりも飼育が難しく、飼育環境により注意が必要。

うまくゆかなかった原因は、以下3点が主な原因と推測。

(1)温度管理

4月以降、急に温かくなって暑い日もあったのに、直射日光があたるベランダに放置。

(2)土の水分量(虫かごのタイプも関係)

通気性の悪いタイプの虫かごで、土の表面を湿らすために水を入れすぎ、虫かごの下側の土が水分がたまりすぎていた。

(3)蛹になる直前(蛹室を作りはじめた時期)の対応

この時期に別の虫かごへ移動したのは失敗だった。
蛹になる前後のカブトムシは、意外にも繊細。蛹になる前後に場所移動させるのは、正常に羽化できないリスクを高めてしまう。

 

おわりに

日本カブトムシを初年から3サイクル(3年間)、順調に大きな失敗もなく育てられました。

しかし、最近、ヘラクレス・オオカブトの幼虫のオス・メス1匹ずつ、昆虫専門店で買ってきましたが、さっそくオスの幼虫を往生させてしまいました。

外国産の飼育は日本カブトとは成長のサイクルが異なり、飼育環境への配慮が一層必要で、難しそうです。

外国産かぶとのを飼育する成功体験は、別の機会に記事にしたいと思います。

▲ヘラクレスオオカブトの3令幼虫、2匹で約5000円。

▲ヘラクレスオオカブトの標本(福島県のムシムシランドにて撮影)

ヘラクレスオオカブトを成虫で買うと、1匹あたり、2~3万円くらい。日本カブトと比べる高価です。

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