夏休みといえば、カブトムシ。都市部で見ることは少なくなったかもしれませんが、まだまだ居ました(東京都内でも)。
また、夏に里帰りした田舎で、カブトムシを捕まえてもち帰ったが、とりあえずどうしていいかわからないという場合もあるかもしれません。
東京都内で採集したカブト虫を5年以上(5サイクル)、自宅で飼育した経験から、カブトムシ採集や成虫飼育の方法について、まとめました。
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目次
東京都内でのカブトムシ採集
5年前の夏、小学校低学年になった息子に見せてあげたかったのが、野生のかぶとむし。
かぶとむしは、夏になると、東京都内でもホームセンターなどで普通に売られていますが、林で見つける野生のカブトムシにこだわっていました。
筆者が子どもの頃、野生のクワガタやカブトムシを見つけて大興奮した感動を、自分の子供にも体験させてみたいと思ったからです。
夏のはじめ、地域の知人からカブトムシの生息場所の噂話を聞いたりして、いろいろ訪ね歩きました。
東京23区に隣接しながら、比較的に豊かな自然に恵まれている多摩エリアなので、期待をしていました。
しかし、6月下旬ころから探し始めて1か月以上・・・
毎週のように子どもと一緒にいろんな場所へ探しに行きましたが、野生のかぶとむしには出会えませんでした。
「東京で、しかも23区に近いようなエリアで野生のカブトムシに出会うのは、もう無理かな・・・」
「そもそも、カブトムシが生息するクヌギやコナラの木は、ほとんど見かけないし・・」
と、あきらめ始めた頃には、かぶとむしシーズンも中盤、8月に入ろうとしていました。
ただ、今、ふりかえると・・・
探し始める時期が1か月くらい早かったように思います。
カブトムシが木々に現れ、人目に触れ始めるのは7月中旬くらいから。
実際には6月頃には生まれているはずですが、生まれてしばらくは活動的でないようです。
そして、自然の多い田舎の林のように、昼間でも容易にカブトを目にする場合は別ですが、大都市部に近い環境では、夜行性であるカブトムシは、夜のほうが活動的で見つけやすいでしょう。
ある晩、「これで最後にしよう。見つからなかったら、諦めよう。」と決め、深夜0時近く、世田谷区にもほど近い、多摩川沿いのある雑木林を訪ねました。
その場所は、日中に訪れた際、クヌギの木やカブトムシの死骸が落ちていたので、きっとカブトムシが居るに違いない!
と踏んでいた場所です。
すると、居たではないですか!うじゃうじゃ。
クヌギの木の樹液が出る部分。先に来た誰かがトラップ(人工の樹液)をかけていたようです。
この雑木林(公園)、カブトムシが生息する場所として地元住民の間では結構知られているようです。
クヌギの木の樹液が出ている木目の開口部に、さらに誰かがトラップをしかけ(人工樹液をかけておき)、引き寄せられて集まってきたようです。
その後、何年かにわたり、夏にこの場所を訪れていますが、人工トラップがなくても、夏の夜なるとカブトムシがいます。
クヌギやコナラの木がある場所には、やはりカブトムシなどが群がっています。
カブトムシの成虫を上手く、楽しく飼育する方法は?
日本かぶとの飼育を5年間(成虫→産卵→幼虫→2代目成虫のサイクルを5回)続けた経験から、よかった飼育グッズなどを紹介します。
カブトムシの成虫を飼うのに必要なものは、最低限4つですね!
- 虫かご
- 土(マット)
- エサ(昆虫ゼリー)
- 登り木(虫かごの中に入れるアスレチックみたいな木)
はじめての飼育でしたら、夏になると近くのホームセンターやスーパーで販売されているセットでもよいと思います。
飼育ケース:サイズ選びの注意
飼育ケースは7月~9月頃には近くのスーパーやホームセンター、百円ショップなどでも売っています。
実物を見て買う利点はサイズ感を確かめられることですが、スーパーで売られているのは小(S)~中(M)くらいが多いかもしれません。
大(L)~特大(LL)サイズの飼育ケースは、ホームセンターやネット通販が充実しています。
以下の匹数目安は必ずではありませんが、カブトムシが快適に過ごせる目安です。
匹数が多い過密状態だと争いが激しくなり、ストレスや生存競争でカブト虫の寿命が縮まってしまうことがあります。
下の写真で小が右上、中が右下、大が左側のケースです。
これまで使用した飼育ケースの中で、扱いやすさ、観察のしやすさ、ケースの頑丈さの点で良かったと思うのが「アイリスオーヤマの飼育ランド CY」でした(上の写真の右上)。
他の飼育ケースは、結構簡単にヒビが入ったり、割れたりしましたが、アイリスオーヤマの飼育ランド CYシリーズは強度があり、長期間使えています。
サイズはSS、S、M、L、LL、3Lと種類が豊富です(Amazonだと、製品紹介の[詳細]欄に具体的な寸法cmが表示)。
また、幼虫の飼育にも兼用するなら、上の写真の右下、蓋が閉じたタイプの「SANKO クリーンケース」も便利です。
蓋が閉じたタイプは、小さな空気穴がありますが、かなり密閉に近く下の二つの利点があります。
- コバエが外に出ない
- マット土の湿気を保つことができて手間がかからない
筆者は主に幼虫飼育で使っています。
マット(土)
成虫でしたら、かぶとを採集した土地や外の土で、さほど問題ないでしょう。
しかし、カブトムシにとって嬉しい環境、また、その後の繁殖(産卵)を考え場合、飼育用の「昆虫マット」が理想です。
土の中は、成虫のカブトムシが体力を温存し、元気になるための隠れ家のような役割もあります。
ケース内のマット量は、オスとメスのどちらを意識するかで若干異なりますが、成虫の飼育でしたら5~10cmの間、7~8cmくらいの高さが標準的な目安かと思います。
特にメスは、日中、土の中へもぐっているのが大好きで、交尾した後、土の中に潜ってしばらく土の外には出てこない産卵期間を迎えます。
土の中は、出産のための大切な環境なので、ある程度、土の分量が必要です。
オスは土に潜っている機会や時間は少なめ。土の分量はメスよりも少なめで大丈夫です。
マットタイプ(銘柄)は、成虫であれば、どれも大差なく、スーパーなどで売っているマットで何も問題ないでしょう。
これまで何種類かを使用したマットの中で良かったのは下の2つでした。
飼育ケースの大きさによって分量が異なり、幼虫飼育の場合、5Lでは足らず、10Lを4~5袋、まとめ買いしていることが多いです。
幼虫飼育も視野に入れて多めに入手するなら、月夜野きのこ園のマットもおすすめです。
上のSANKOの育成マットよりも土がさらさらです(細かい木片の数が少ない)。
幼虫の飼育用として使用する時はマットによって、それなりに差が出てきます。
安すぎるマットの時は幼虫飼育の時にあまり良い結果になりませんでした(特に100円ショップのマット)。
≪参考記事≫
昆虫ゼリー(えさ)
夏であれば、スーパーやホームセンター、百円ショップなどで昆虫用のゼリーが売られています。
昆虫ゼリーの場合、角が長いオスのカブトムシにとってもゼリーが食べやすい、底が浅くて幅広いタイプ(直径3cmくらい、下の写真)がおすすめ。
昆虫ゼリーを置く台は、飼育ケースと一緒にセット販売されているもの以外にも、のぼり木などと一緒に単品オプションで売られていることも多いです。
昆虫ゼリーの入手が間に合わない場合、カブトムシが大好きで、よく食べる果物はバナナ!!
食いつきがよく、バナナを食べたカブトムシは元気になる様子です。
林でトラップを仕掛けて採集する場合も、一番よく使われている果物です。
ただ、生の果物は腐りやすく、不衛生で匂いもきついので、昆虫ゼリーが入手できたら、差し替えましょう。
のぼり木(虫かごの中に入れる)
カブトムシは、元来、木に生息しているので、木の枝や皮が大好き。
虫かごの中へ入れておくと、観察の楽しみも増えます。
カブトムシは土の上でひっくり返って仰向けになることが多いですが、土だけだとなかなか起き上がれませんが、近くに木があると自分で起き上がれます。
飼育ケースを置く場所はどこがよい?
飼育場所は、できるだけ温度差が少ない場所がよいと言われています。
直射日光のあたらない、暑すぎない場所。
特に幼虫飼育の場合、屋外に比べて気温差の少ない「屋内飼育」がお勧めです。
マットの乾燥ぐあいも虫かごを置く場所により、かなり左右されます。
マットが乾燥してきたら、100円ショップなどで入手した霧吹きなどで「シュッシュッ」とかけて土の表面を湿らし、乾きすぎないようにしています。
(成虫の場合、土が含む水分量は、幼虫ほどは気にせずに大丈夫かと思います)
小ばえが気になるがどうしたらよい?コバエ対策
小蠅(こばえ)がたくさん増えて気になってきた場合の2つの方法を紹介します。
コバエシート・虫よけシートを使う
飼育ケースの中に、いつの間にか小バエ(小蠅)が入り込み繁殖して、小バエだらけになってしまうことがあります。
ケース内が小バエだらけになるのは、特に室内飼育の場合は、部屋の中に入り込んでしますので困りますね。
一度、コバエが繁殖すると、完全にコバエを取り払うことは困難。
方法は、土全体を変えること以外になくなります。
そういうコバエ対策としては、虫よけシートを使っています。
虫よけシートはマット(土)の湿気を適度に保ってくれるところも良い点です。
ケースの大きさに応じて切り取れる「虫よけシート」の例がこちらです。
「虫よけシート1番(マルカン)」のサイズは「52.5cm×35cm」が3枚入り。
45cmまでの特大サイズの飼育ケースでもでき、手触りは少し固めで頑丈な感じ。
「ハエピタシート(フジコン)」のサイズは「42cm×27cm」が2枚入り。
横幅37cmまでのサイズの飼育ケースまで対応し、少しソフトで手触りが良い感じです。
どちらも使いがっては変わらないですね。
おがくずタイプのマットに変える
マットコバエシート、虫よけシートは利点も多いですが、デメリットは飼育ケース内が見えずらくなること、ゼリー交換など、飼育ケースの蓋の出し入れに少し手間が増えることです。
もしも産卵のために土である必要がなければ、おがくずタイプのマットもおすすめです。
筆者はおがくずタイプのマットに変えて、コバエが全くと言ってよいほど、わかないようになりました。
おがくずタイプのマットはケースが汚れずらく、見た目にも清潔感があるのが良いですね。
10~14日に1回くらい、シャワーでさっと水をかけて、水分量を保っています。
下の3袋入りのものを使った場合、1袋に対して、LLサイズくらいの大きい飼育ケース1つ分くらいに使える分量です。
(かぶとむしの小便で多少汚れてくるので1か月に1回くらい交換するのがよい)
カブト虫の成虫、夏の終わりが近づくと・・・
8月中旬くらいからカブトムシも次々と往生。
9月の下旬、一番長く生息したカブトも旅立ってゆきました。
その年の気候や生育環境により、寿命は異なります。
たとえば猛暑が続いた年は、全国的にもカブトムシの寿命が短かかったようです。
▲最後の一匹。かぶとむしが往生するときは、なぜかこのスタイル(仰向け)が多いので、わかりやすいです▼
そして、すべてのカブトムシがいなくなった虫かごの土の一番下には、ぴかりと光る小さなカブトムシの卵が残されていました。その数、合計60個ほど。
雄と雌を一緒のケースで飼うと、ほぼ必ず交尾をします。
そのまま放っておくと、夏の終わりも近づいて、気づいたときには土の一番下の方に産卵されている可能性が高いです。
新たな生命。色が白くて小さいものが、生まれてから比較的新しい卵です。
黄ばんだ少し大きめのものは産卵後、少し時間がたち、まもなく幼虫が出てくる卵。
たくさんの卵から幼虫が孵化し、約1年後の羽化に向けて育てる場合は、秋~冬にかけて、それなりに手間がかかります。
生まれて間もない幼虫(1令幼虫)。
大きさにしたがって1令→2令→3令と成長してゆきます。
カブトムシの幼虫も卵の殻を破って出てきます。土の中をよく見てみると、卵の抜け殻が残っているのが見つかるでしょう。
カブトムシ採集と成虫の飼育方法 まとめ
産卵後、幼虫から蛹になり、羽化して成虫になるまでの育て方も変化をつけ、失敗したり、成功したり。
産卵後、幼虫から成虫になるまでの飼育方法は、いろいろと勉強になったことがあるので、別の記事でご紹介をしています。
よろしければ、こちらの記事もどうぞ。