映画『二ノ国』の感想・レビュー:音楽と絵が良かったジブリの流れを継ぐ作品

映画『二ノ国』

2019年8月に公開された映画『二ノ国』を親子で観てきました。

過去1年くらいの間、小学生の息子と一緒に観た5~6本を映画作品(ポケモン、妖怪ウォッチ、どらえもん、くれよんしんちゃん、天気の子・・・)中で、大人視点では一番良かったかも。

子供も「もう一度見に行きたい」と言っているので、子供にも受けた作品なのでないかと思います。

このレビューは、映画の専門家というわけではない、普通のお父さんが書いている感想です。

業界や製作の裏事情などに特に詳しいわけでなく、純粋に作品への感想で、一般の親御さんやお子さんの目線に近いと思います。

これから作品を観ることを検討している人、すでに観て他の感想が気になる人の参考になれば嬉しいです♪♪

なお、この映画の良かったシーンを紹介する際、公式サイトの予告動画を貼付していたりして、ネタバレも含んでいます。

ゲーム『二ノ国』との違い

「二ノ国」は、もとは任天堂のDSやソニーPlayStationなどのゲームソフトとして、10年くらい前から発売されているものです。。

「二ノ国」の製作会社であるレベルファイブ社は、これまでにも、映像作品をゲームやグッズ販売と連動させ、それらの相乗効果を出しながら売り上げを伸ばしてゆく会社でした。

しかし、「二ノ国」の生みの親であり、映画化の製作総指揮で脚本を手がけた日野晃博さんによれば、今回は「映画のために映画を作る」、純粋にいい映画を作ろうとしたものと言います。(ねとらぼ 日野晃博氏インタビューより

つまり、ゲームの映画化でもなければ、ゲーム化を想定した映画企画でもない。

映画『二ノ国』は、純粋に映画として素晴らしい作品に仕上げたいという思いから生まれた作品と言えます。

ゲームでは幼い年齢のキャラクターが主人公だったんですけど、映画では高校生くらいの年齢にして、ラブストーリーをベースにした作品にしています。映画だからこそ引きの強い設定を選んでいるんです。

引用元:IGN Japan 日野晃博氏インタビューより

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あらすじとキャストを簡単に

ストーリー(設定)

現実と隣り合わせなのに全く違う“もう1つの世界”二ノ国。高校生のユウと親友ハルは、幼なじみのコトナを巡る事件をきっかけに、2つの世界を行き来することに…。現実と二ノ国の2人のコトナに命の危険が同時に迫る中、3人と「二ノ国」を巡る“究極の選択”とは…。

引用元:映画の時間 ←さらに詳しく知りたい場合、こちらをクリック

キャスト

監督はジブリ出身の百瀬義行さん。

脚本原案は、『イナズマイレブン』『妖怪ウォッチ』などのヒット作を生み出してきた実力派クリエイターの日野晃博さん。

声優さんたちは、まさに旬のイケメン、美女揃いで、伊武雅刀さんが入っているのが渋いです。

キャスト 監督 百瀬義行
製作総指揮・原案・脚本 日野晃博
原作 レベルファイブ
音楽 久石譲
声の出演 山崎賢人、宮野真守、坂本真綾、梶裕貴、津田健次郎、山寺宏一、伊武雅刀、ムロツヨシ
配給 ワーナー・ブラザース映画
公開 2019年8月23日
上映時間 107分
公式サイト http://wwws.warnerbros.co.jp/ninokunijp/

(C)2019 映画「二ノ国」製作委員会

声優:山﨑賢人さん(ユウ役)&梶裕貴さん(妖精ダンパ役)

声優:永野芽郁ちゃん(コトナ&アーシャ姫)×新田真剣佑さん(親友ハル役)

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この映画の良かった点

大人(筆者本人)視点が中心ですが、最後のほうに9歳の子供の反応も紹介しています。

脚本(ストーリーや演出)

子供向け映画の定番的な要素、「友情」や「人を好きになる」など、ストーリー全体の構成としては、とてもシンプル。

戦闘シーンもエグさは抑え気味で、比較的に幅広く、誰もが受け入れやすい内容だと思えます。

個人的にツボだったのは、もともと親友同士だった主人公のユウと親友ハルが戦うシーン。

次々と起こってゆく不幸の原因となっているものの考え方にずれが生じ、敵対して戦ってしまうシーン。

かなりベタな設定だと思いますが、「正義と信じたこと」「愛する者」のために、親友とも戦ってしまうあたりは、男の普遍的な性(さが)。

その真っすぐさや単純さは、まさに現実世界でも「あるある」で、自分に置きかえて共感した部分です。

この部分については、批判的なレビューも見られますが、筆者は「人間の普遍性の表現」として、悪くない印象を持っています。

親友同士で戦い始めるシーンの予告動画▽▽

そして、ほどよいファンタジー感

他の最近の作品と比較したとき、映画『天気の子』などは、とてもリアリティが強い作品でした。

一方こちらは、日常(一ノ国の現実世界)と非日常世界(二ノ国の魔法世界)へ行ったり来たり。

ファンタジー過ぎず、そこそこにファンタージー世界へ没入できる。

その日常感と非日常感のバランスがよかったです。

音楽

直近で見てきた6~7本を見てきた子供向けの作品(ポケモン、妖怪ウォッチ、どらえもん、くれよんしんちゃん、天気の子・・・)の中で、音楽的には一番好きな作品でした。

他の作品との違いは、管弦楽によるオーケストラを中心のサントラということ。

映画『天空の城ラピュタ』のジブリ作品をほうふつとさせる中世ヨーロッパの風景に、管弦楽オーケストラによる音楽が重ね合わさると、日常から離れた壮大な世界に引き込まれてゆきます。

世俗音楽を超えた格調の高さを感じさせながら、決して高みに行きすぎない心地よい音楽は、久石譲さんによるもの。

久石譲さんと言えば、ジブリ作品に欠かせない作曲家で、約30年、スタジオジブリの作品を手がけているかたですね。

なるほどです。

中でも個人的に好きなのは、アーシャ姫とハルが飛空艇の一番前にのって二ノ国の夜空をさまよう、映画『タイタニック』のクライマックスのときのようなシーン。

風が私たちを歓迎してくれてる♪♪~(アーシャのセリフ)

こちらもベタなシーンかもしれませんが、音楽的、映像的に美しくて、非日常へ没入できて癒されました!

美しい音楽とともに飛空艇が流れていくシーン▽▽

さらに、この映画が音楽的に「やるな~」と思ったのは、須田景凪(すだ けいな)さんの主題歌

須田景凪さんって、声や歌い方の雰囲気がちょっとミスチル(ミスターチルドレン)の桜井和寿さっぽい

ギターの音とかサウンドも、ミスチルっぽい!?

40~50代のミスチル好きな親御さんには、須田景凪さんのこの主題歌「MOIL」は気にいって、ツボにハマる可能性大です。

ミスチルの桜井和寿さんっぽいところのプロモ動画はこちら▽▽

久石譲さんの国境のないユニバーサルな音楽に、今の日本で旬な、若い世代にも受け入れられる音楽を取り込んでいることで、この映画の奥行きが増している気がします。

映像(作画、画風)

最近見たいくつか見たアニメ映画の中でも、絵的に特にステキだと思ったのがこの映画『二ノ国』です。

例えば、二ノ国の「中世ヨーロッパ的な街並み」の描かれ方、二ノ国の「お城の外観や内装」「街路樹の緑の微妙な陰影」など。

それらは、まるで本物の水彩画のようなタッチ(筆致)です。

実際には計算し尽くされた上で作りだされたテイストだと思われますが、二ノ国の背景の絵には、CG(コンピューターグラフィックス)に偏りすぎない、絵本来の素朴さが感じられるのが良いですね。

それと対照的なのが新海誠監督の『天気の子』や映画『ポケモン』シリーズなど。

それらは映像的に素晴らしく、洗練されていますが、最新の映像技術を駆使している感の強いタイプの画風です。

1980年代のジブリ映画『天空の城ラピュタ』など、ジブリ作品の素朴な画風の流れを汲んでいる気がします。

大人が見てホッとする背景画は、けばけばしさが無くて癒されます♪♪

予告編動画で『二ノ国』の背景の絵をチラ見してみる▽▽

子ども視点では?

9歳の息子に、一つ前に観た映画『天気の子』の比べてどうだったかを聞いてみました。

『天気の子』よりも『二ノ国』のほうが良かったと言います。

おそらく『二ノ国』には、「友情」とか「恋愛」、「戦闘」「ファンタジー感」など、子どもが好きな要素がバランスが良く盛り込まれていたからでないかと思います。

※映画『天気の子』は、かなりリアル感が強く、メインターゲット層も10代後半~30代前半くらいという気がします。

ただ、『二ノ国』では一部、わかりずらい箇所もあったようです。

映画終盤、主人公のユウと親友ハルが、戦いはじめる頃からのあたり。

一ノ国(現実世界)と二ノ国(魔法世界)は表裏一体で繋がっていて、双方で起こるできごとの関連性の謎がとけてゆく段階に入ります。

ストーリー全体としてはシンプルで問題ないようですが、そのからくりを解き明かす部分は小学生には少しわかりずらく、完全には理解できなかったようです。

ぶっちゃけ、親(筆者)もわかっていなかったかもです・・・(汗)

ただ、その部分は7~8割くらいでなんとなく掴めていれば、ストーリーについてゆけるので、問題はないと思います。

迷子になることは無いと思います。

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映画『二ノ国』公式関連グッズがそそる

この映画の良かったところとして「音楽」と「映像」を挙げましたが、それらが公式グッズとして販売されています。

アニメーションや美術に興味がある人へおすすめなのが映画『二ノ国』の公式アートブックです。

美術設定・イメージボード・コンテなどの公式資料をもとに、カラー・大判の大ボリュームでこの映画を読み解く内容になっているとのこと。

総ページ数が160ページくらいあるすごい本で、セブンネットだと限定特典として「B5クリアファイル1枚」が付くようです。

 

この映画は音楽好きな大人にもお勧め。サントラはこちら。

 

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終わりに(映画の満足度)

二ノ国を観た全体印象として強く残ったのは、この映画は、日本を超えた世界に通ずる普遍性や心地よさを感じさせるというもの。

日本のメディアや映画館では、この映画の露出は今のところ少なく、地味な印象です。

仮に日本でメガヒットしなくとも、この映画は外国人受けする内容じゃないかと思う。

この作品で、百瀬義行監督の作品、過去のジブリ作品にも、興味が湧いてきました。

ジブリ美術館(東京三鷹市)見学ツアー 

以下は個人的な感想です。(★★星10個が最高★★)

好みに合うか合わないかが大きいので、人によって全く違う評価、感想になるかもしれません。

全体的には?(この映画を好きになった?) ★★★★★★★★(8)
泣ける? ★★★★★★★(7)
音楽は? ★★★★★★★★★(9)
映像的には? ★★★★★★★★★(9)
子供と一緒に観てよかった? ★★★★★★★★★(9)
自分(大人)だけで見たいと思う? ★★★★★★★★(8)
この映画を他の人へおすすめする? ★★★★★★★★(8)または(9)
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