海外旅行へ行く際、ツアーを利用するか、個人にするか迷いませんか?
それぞれメリット・デメリットがあり、行く先によっても、ツアー向きと個人向きな場所があります。
自分の旅行スタイルに合った方法を選べるよう、この2つを徹底比較しています。
目次
海外旅行:ツアー(団体旅行)とは?
一般的にツアーとしてイメージされるのは、添乗員付きの団体旅行。
団体旅行の多くは旅行中の訪問地や観光内容などの行程があらかじめ定められ、その行程表に沿って旅行が進みます。
飛行機、ホテル、観光、移動交通手段(バスや電車)、食事などの大部分は旅行会社が手配を行い、予め旅行行程の中に組み込まれています。
参加人数は10名以下のものから30名以上のものまで様々ですが、基本的に他の参加者と同一行動となります。
巷では「パッケージツアー」と呼ばれています。
※2名催行の個人旅行に近いツアーもありますが、一般的にツアーとしてイメージされるのは上記のような団体旅行です。
海外旅行:個人旅行(個人手配)とは?
個人旅行は、基本的に体ツアー以外のひとり旅や少人数旅行。
団体ツアーと比べて、自由度の高い行程で旅行する方法です。
個人旅行の中でも、現地到着後の行動予定を決めないで、飛行機(と宿)だけ自分で予約し、フリースタイルで旅行するバックパッカー形式のもの。
宿泊地やホテルなど、おおまかなことだけを事前予約し、細かな行動や観光内容はその場で決めてゆく方法もあります。
個人旅行では、飛行機、ホテルなど、もしくはその一部をインターネットで自分で予約する(個人手配)場合が多いです。
簡単に言えば、旅行会社の力をかりず、自力で旅行計画を立て、予約し、現地で旅行をするのが個人旅行ですね!
旅行業界では、個人旅行はFIT(エフ・アイ・ティー)と呼ばれています(※)。
(※)Free Individual Traveler (Foreign Independent Tour)の略
ツアーと個人旅行の違い詳細は次章の「海外旅行:ツアーと個人手配の違いは?」もご参照ください。
海外旅行:ツアーと個人の割合は?
海外旅行のツアーと個人の割合は、およそ2対8くらいと考えるとよいでしょう(海外旅行をする10人中の8人は個人手配、2割がツアー参加)。
約8割を占める個人ですが、航空券や宿泊を自分でネットで予約する方法が海外旅行者の半数超(5~6割)。飛行機と宿泊施設がセットになり、送迎の有無を選択できる自由行動型ツアー(実質はフリータイム型の個人旅行)が2~3割くらいと考えておくとよいでしょう。
これは2020年からのコロナ禍の前のデータをもとにしていますが、全体として、個人手配で旅行をする人の割合は今後ますます増え、フルパッケージの団体ツアーに参加する人の割合は減ってゆくと言われています。
なお、海外へ出る日本人の数は、コロナ禍以前の過去10年間、約1600万人~2000万人くらいの数で推移しています。
この中には仕事(業務出張)で海外に行く人、繰り返し海外に行く人も含まれています(出国者数の延べ人数です)。

引用元:令和3年度・観光白書
海外旅行:ツアーと個人の違いは?
ツアーと個人(個人旅行・個人手配)では、主に以下4つの違いがあります。
- 行程が予め決まっているか(訪問地・観光内容・宿泊)
- 手配は誰が行っているか(航空券・宿・入場観光)
- 一緒に旅行する人数
- 添乗員やガイドなど案内人の有無
完全にツアー、個人と分けられる場合もありますが、両方がミックスした中間的な旅行の場合もあります。
下の図で、右へ行くほどツアー的で、左へ行くほど個人旅行色が濃いと言えます。
海外旅行:ツアーのメリットや注意点
一重にツアーと言っても様々ですが、代表的なものは下記です。
- 添乗員付き団体ツアー
- 添乗員なしツアー
- 航空券+ホテル(+空港送迎)
こちらでは上の3つの利点や注意すべき点を紹介します。
添乗員付き団体ツアー:フルパッケージツアー
航空券、ホテル、食事のほとんどは予め旅行会社によって手配され、旅行は予め決められた宿泊や訪問見学地が記載された計画書のとおり進行します。
日本から添乗員が同行し、海外到着後は場所によって現地案内人(ガイド)がついて、詳しい観光の説明をしてくれます。
自分で準備する余裕がない忙しい人に合っています。
個人ではゆきずらい場所へ訪問できる場合がある、短時間で効率的に訪問できるのも大きな利点です。
★<日程表の例>
メリットや良い点
- 行程中の大部分のことは旅行会社が準備するので、とにかく楽
- バス移動が快適
- 個人ではゆきずらい場所へ訪問できる場合がある
- 旅行会社が作った行程で効率よく巡るため、同じ期間でも訪問場所が多く、たくさん見学できる
- トラブルや困った時に相談できる添乗員やガイドがいて、安心感が高い
- 良い友だち(旅仲間)ができる場合もある
デメリットや注意点
- 最小催行人数がある(最小催行人数に達していないと出発1ヶ月前後に中止となることがある)
- 自由度が限られている(団体の行程に合わせる)
- 参加人数が多すぎるツアーだと、トイレやチェックインなどで待ち時間が増える
- 完全フリーの個人旅行と比べると費用が高め
添乗員なしツアー:フルパッケージとフリー型の中間
パッケージツアーの中でも、日本からの添乗員は同行せず、飛行機とホテル、空港~ホテル間の送迎、一部の観光だけを旅行会社が手配したセットプランもあります。
これらは添乗員付き団体ツアーと比べて最小催行人数が少なく、2~5名くらいの応募者があれば、実施できるものも少なくありません。
添乗員付きだと10~15名以上という場合が多いので、催行のハードルが低く、ツアーキャンセル(出発1ヶ月前前後の中止)の頻度も少なめ。
フルパッケージツアーとフリープランのいいところ取りをした中間のスタイルです。
★<日程表の例>
メリットや良い点
- 2名以上催行のものは確実に旅行計画を立てられ、ほどよい自由度がある
- 日本からの添乗員がつかなくても、現地到着後は要所で現地案内人が付くことも多い
- 個人では入場予約が難しい見学地などが組み込まれていることがある
- 滞在中ずっと案内人が同行しているわけでないが、いざという時は旅行会社に頼れる
- 旅行会社の契約ホテルや航空座席を使うため、ネット手配するよりも安い場合もある
デメリットや注意点
- 添乗員付きのフルパッケージツアーと比べると、至れり尽くせり感は少ない
- 現地到着後は基本的に自力で行程を進めることも多い
- 日本からの添乗員がいつでも近くにいるわけではない
航空券+ホテル(+空港送迎):個人旅行向けのフリー型ツアー
航空券と宿泊ホテルがセットになり、空港~宿泊施設までの送迎がオプションで付けられるタイプです。
スケルトン(骨格のみ)、ダイナミックパッケージといった呼び方をされることもあります。
ツアーを言っても1~2名から利用が可能な個人旅行向けのセットプランです。
現地到着後以降の行程は、基本的にフリータイムが多いです。
航空券とホテルは旅行会社が手配していますが、実質的には個人旅行に近い旅行スタイルですね。
★<日程表の例>
メリットや良い点
- 旅行会社側で利用航空会社やホテルを絞っているので決めやすい
- 飛行機、ホテルの手配に関するトラブルは旅行会社に頼れる
- 現地到着後の送迎を付けることで安心感が高まり、良い旅行のスタートを切れる
- 旅行会社の契約ホテルや航空座席を使うため、ネット手配するよりも安い場合もある
デメリットや注意点
- 基本的には自分で航空券やホテルを手配するスタイルに近い
- 団体ツアーに比べると、安心感は少ない
- 手配上のトラブル以外は自力対応が必要(旅行会社がお世話するのはごく一部)
海外旅行:個人旅行(個人手配)のメリットや注意点
個人旅行は上記ツアーに当てはまらない全ての旅行が該当し、幅広いですね。
- 少人数またはひとり旅
- 現地到着後の行程はあまり決まっていない(自由度が高い)
- 飛行機やホテルの予約は自分で行う
- 添乗員や現地案内人は基本的に付かない
メリットや良い点
- 自由度が高く、気ままに進められる
- 旅行中のプライベート感が高い(他の人に気をつかう必要がない)
- 試行錯誤しながら進める旅行準備自体が楽しい(計画考案、予約)
- 全体的にツアーと比べて費用を安くできる(節約できる)
デメリットや注意点
- 基本的には自分で航空券やホテルを手配するスタイルに近
- 旅行準備に時間がかかる(計画考案、予約)
- 自分では気づきずらい失敗、落とし穴がある可能性
- トラブルや困ったことがあった場合に頼れる人が少ない
ツアーと個人、旅費はどっちが安い?
海外旅行でツアーと個人(個人旅行・個人手配)ではどちらが安いかと言えば、金額だけを見れば、個人の方が安い場合は多いでしょう。
「個人旅行の方が安く旅行できる」というのは、不要なものをギリギリまで削って節約しやすいということがあります。
たとえば、日本からの往復航空券とホテルだけ自分で予約購入し、現地到着後は安宿に宿泊し、移動交通手段は公共交通を利用することで、費用は抑えられます。
ツアーでは、旅行者の手間や面倒をなるべく省くため、航空券やホテル以外にも、観光、移動交通手段(バスや鉄道など)、食事などの予約を旅行会社が行い、なるべく参加者が快適に旅行できるよう工夫されています。
また、宿泊ホテルは安宿は治安の心配があり、治安や安全性に配慮した、日本人が不快に感じない快適性のあるホテルが選ばれていることが多いです。
さらに、日本からの添乗員や現地案内人を付けることで、ツアーの満足度や安心感を高めています。
そうした費用が旅行代金に含まれているため、一見したところでは、個人旅行より高そうに見えます。
個人旅行と比べて、団体ツアーは「至れり尽くせり」の分、比較的、時間とお金に余裕のある年配層(60代以上のシニア)に人気があります。
ツアーと個人:どっちがコストパフォーマンスがいい?
実際にはツアーと個人で旅行内容が全く同じということは少なく、正確に比較することは難しいでしょう。
また、個人の場合、旅行のために使ったリサーチの時間や予約の手間をどう考えるかにもよります。
ツアーを利用して旅行のプロ(旅行会社)が使った行程に乗っかれば、調査や計画作成、手配にかかる時間を大幅に節約できます。
そして、ツアーか個人か?を費用面で迷った時は、内容に比して安いか高いか(=コストパフォーマンス)を考えるのがおすすめです。
旅費に対しての満足度の高さ(コストパフォーマンス)は、その旅行で何に重きをおいているかで異なりますね。
たとえば、美しいビーチリゾートでひたすらのんびりしたい場合、航空券とホテルだけなど、なるべくシンプルな手配にした方が料金は安く、満足度は上がります。
一方で、ヨーロッパなど、一回の旅行でなるべく多くの都市を効率的に訪問したい場合、ツアーの合理性は魅力的です。
海外旅行はツアーと個人、どっち?まとめ
ツアーと個人のどちらがよいかをまとめました。
人によって合う合わないがありますので、自分に合った旅行スタイルが見つかることを願っています。
はじめての海外旅行を検討している人は以下もどうぞ!!
参考記事